ペットのお墓と遺言、死後事務委任契約
「ありがとう、ずっと一緒にいてくれて。」
大切な家族であるペットとのお別れは、言葉にならないほどつらいものです。
ペットもまた、かけがえのない家族。
お墓や供養のかたちは、家族の数だけ選択肢があります。
──『お墓』という選択について、一緒に考えてみませんか。
ペットのお墓。どのような形態があるの?
旅立ちのあと、小さくなって家に帰ってきた大切なあの子。
あなたなら、どんな場所に眠ってほしいと願いますか?
まずは、ペットのお墓の種類についてご紹介します。
- 自宅の庭にお墓を作る
- ペット専用の霊園
- ペット専用の納骨堂
- 人と一緒に入れるお墓
- 人と一緒に入れる納骨堂
- 散骨
- アクセサリー等に入れて一部を身に着ける
- 手元に置いて供養する(自宅供養)
- 収骨しない(合同火葬など)
どれが良いのかは一概には言えず、それぞれにメリット・デメリットがあります。
何を大切にしたいかによって、最適な選択は変わってきます。
すでにお墓を購入済みの方や、先祖代々のお墓に入る予定の方は、ペット専用のお墓や納骨堂を選ばれるケースが多いかもしれません。
また、ご自宅に庭があり、ペットがその庭で遊ぶのが大好きだったご家族は、庭にお墓を作るという選択をされることもあります。
そして、「いつか虹の橋で再会したあとも、また一緒にいたい」と願う方は、ペットと一緒に入れるお墓や納骨堂を選ばれるかもしれません。
すぐに答えを出すのは難しく、「そんなの決められないよ」と感じる方も少なくないでしょう。
だからこそ、事前に「ペットのお墓をどうするか」をご家族で話し合っておくことが大切だと思います。
我が家のお墓について
参考になるかはわかりませんが、ここで我が家のお墓について少しお話しします。
私は愛犬を看取ったあと、あまりに悲しくて、「ずっと一緒にいたい」と心から願いました。
「自分がこの世を去るまでお骨は家に置いておき、私が亡くなったら同じお墓に入れてほしい」
そう思い立ち、『人と一緒に入れるお墓』の購入を決めました。
購入前には何か所か霊園を調べた結果、ある霊園に決めた理由は以下のとおりです。
- 私たち夫婦には子どもがおらず、お墓の管理が将来的に不安だったため、夫婦のどちらかが亡くなってから13年後に墓じまいをしてくれる仕組みがあった
- お墓のデザインが自由にできる
- ペットの頭数制限がない
お墓を購入したことで、「これからも愛犬とずっと一緒にいられる」という安心感を得ることができ、私はとても満足しています。
今も愛犬のお骨は自宅にあり、朝も夜も話しかけています。
夫婦のどちらかが先に旅立ったときには、愛犬のお骨と一緒にお墓に納めるつもりです。
遺言と死後事務委任契約
先ほどもお話ししましたが、私には子どもがいません。
もし配偶者が先に旅立っていた場合、私自身の葬儀や埋葬・納骨を頼める人がいなくなってしまいます。
せっかく愛犬と一緒に入れるお墓を購入していても、そのお墓に納骨してもらえなければ意味がありません……。
そこで力を発揮してくれるのが、「公正証書遺言」と「死後事務委任契約」です。
公正証書遺言では、自分の遺産をどのように分けるかを明確にできます。
また、特定の団体や個人に遺産を寄付することも可能で、これを「遺贈」または「遺贈寄付」と呼び、近年注目されている制度です。
自分の財産を、誰かや何かの役に立てたいという思いがある方には、ぜひこの制度の活用をおすすめします。
そしてもう一つ大切なのが、「死後事務委任契約」です。
これは、自分の死後にどのような対応をしてもらいたいのかを、生前に明確にしておく契約です。
たとえば「火葬後、〇〇霊園に遺骨を持って行き、あの子と一緒のお墓に納骨してほしい」といった具体的な希望を、契約を通じて依頼しておくことができます。
配偶者がすでに亡くなっている方や、独身の方、身寄りがない方は、何も準備していないと、亡くなった後に自治体が遺体を引き取り、地域の火葬場で火葬したのち、無縁仏として合祀される可能性があります。
それを避けるためにも、自分の意思がしっかりしているうちに「死後事務委任契約」を結んでおくことが大切です。
死後事務委任契約について、詳しくはこちら
ペットのお墓についての疑問や悩み、また遺言書や死後事務委任について、質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。