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コラム
飼い主さんが認知症になったら……ペットの生活はどうなる?
高齢化に伴い、「ペットの孤立」が深刻な社会問題となりつつあります。
高齢の飼い主さんが認知症になったとき、ペットの生活にどのようなリスクがあるかを考えたことはありますか?
最近では、ご家族が遠方に住んでいたり、高齢で対応が難しいケースも増えています。
今回は、飼い主さんの“もしも”に備えることの大切さについてお伝えします。
ご自身のことだけでなく、ご両親や兄弟姉妹、ご親族など、大切な方の未来を護る準備を考えてみませんか?br>
病気や認知症になると、ペットの世話はどうなる?
元気なうちは、日々のペットのお世話も問題なくできます。
しかし、病気や認知症の発症により、いつのまにかお世話が行き届かなくなり、大切なペットが不幸な状況に置かれてしまうこともあります。
- ごはんやお水をあげ忘れる、または与えすぎてしまう
ごはんやお水は、ペットの命を支える大切なものです。
適切な量を与えられないと健康に悪影響を与えてしまいますし、与えすぎも肥満や病気の原因になります。
ペットの体型に急な変化が見られたことから、動物病院のスタッフや近所の方が飼い主さんの異変に気づき、認知症が発覚することもあります。
私が以前、老犬ホームを訪問した際にも「飼い主さんの認知症が大きな問題になっている」と伺いました。
実際に、私がお世話していた飼い主さんが施設に入所され、その娘さんが愛犬を引き取られたケースがありました。
このときはご家族が近くに住んでいて日頃からお世話に関わっていたため問題は起きませんでしたが、引き取り手がいない場合、ペットが不幸になってしまうこともあります。
- トイレや散歩を忘れてしまう
散歩は犬にとっての楽しみであると同時に、健康維持にも不可欠です。
特に屋外でしか排泄できない子にとっては、散歩の機会が失われることで深刻なストレスや病気につながるおそれがあります。
- 動物病院に連れて行けなくなる
普段は異変にすぐ気づいて病院へ連れて行っていた飼い主さんでも、認知症の進行や身体機能の低下により、それが難しくなることがあります。
病気の発見が遅れることや、薬を飲ませることができず、命に関わる事態に発展することもあります。
- ペットが放置されたり、死亡してしまうケースも
飼い主さんが急に入院したり、亡くなってしまった際、ペットが自宅に取り残されることがあります。
特に飼い主さんが孤独死された場合、誰にも気づかれずにペットが餓死してしまったという悲しいケースも存在します。
たとえ発見が早く助け出されたとしても、ペットの心には大きなトラウマが残ってしまいます。
「もしもの時」の前にできること
「もしもの時」の前にできることは、たくさんあります。
ご自身のことはもちろん、ご両親や兄弟姉妹、ご親族のことも含めて──
大切な人と、そのペットの未来を守るために、できることから始めてみませんか?
- 成年後見制度
成年後見制度は、認知症などにより判断能力が低下した方々が、安心して尊厳ある暮らしを続けるための支援制度です。
この制度では、ご本人の意思や希望をできる限り尊重しながら、専門の支援者が介護施設の入所契約や日常的な財産管理などを適切にサポートします。
一人ひとりの状況に寄り添い、自分らしい暮らしを守る環境づくりをお手伝いします。
詳しくはこちらをご覧ください。
- 見守り契約
見守り契約とは、支援者が定期的に飼い主さんとペットの生活状況を確認し、必要に応じて支援を行う契約です。
将来への不安をやわらげ、飼い主さんとペットが安心して過ごせる日々を支えます。
私は愛玩動物看護師とペットシッターの資格も有しており、「ペットの見守り」もあわせて対応できますので、もしものときも安心していただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
- 飼い主さんとペットのエンディングノートの作成
命あるものには、いつか旅立つときが訪れます。
飼い主さんが先に旅立ったとしても、またはペットが先だったとしても──
残された側の悲しみや戸惑いを少しでも和らげられるよう、備えておくことが大切です。
『ペットとわたしの安心エンディングノート』は、飼い主さんとペットの終活について考え、大切な絆や思いを記録に残すための一冊です。
詳しくはこちらをご覧ください。
- ペットのための負担付死因贈与
愛するペットの将来をしっかり守ってあげたい──それは、すべての飼い主さんが願うことだと思います。
ただし法律上、ペットは人間のように財産を相続することができません。
そんな中で、ペットの生活を支える仕組みとして注目されているのが「負担付死因贈与」です。
この制度を使うことで、ペットの世話を引き受けてくれる人に財産を託し、将来にわたって安心できる環境を整えることができます。
大切な気持ちをしっかり形にするために、丁寧にサポートさせていただきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
今できる備えと、私にできるサポート
飼い主さんが元気なうちに「もしも」の備えをしておくことで、ペットの未来は安心なものになります。
以下のような制度や方法を活用することで、認知症や突然の入院といった不測の事態にも備えることができます。
行政書士として、これらの制度に関するご相談や契約書の作成支援を承っています。
また、愛玩動物看護師・ペットシッターとしての経験を活かし、実際のペットのケアや飼い主さんの生活状況にも寄り添ったサポートを提供しています。
「まだ元気だから大丈夫」と思われるかもしれませんが、元気な今こそ、愛するペットの未来を一緒に考えてみませんか?
どんな小さなことでも構いません。まずは、お気軽にご相談ください。