動物に関われる仕事がしたい・どうすればいいの?
犬や猫と暮らしている方から、「ペットと一緒に暮らし始めたことがきっかけで、いつか動物に関わる仕事がしたい。そしていずれはその仕事で開業してみたいと思うようになりました」という夢を何度もお伺いしました。
一口に「動物に関わる仕事」といっても、その種類は実にさまざまです。
そこで今回は、動物に関わる仕事、そして開業について詳しくご紹介いたします。
自分に向いている仕事って何だろう?
まず最初に考えなければいけないのが、どのような動物に関わる仕事をしたいのか?です。
「え、そんなのすでに考えているよ」とおっしゃる方が多いと思いますが、実は漠然と『動物に関わる仕事』と思っているだけで、どのような仕事がしたいかはまだ未定の方が一定数いらっしゃいます。
動物に関わる仕事で人気があるのは
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愛玩動物看護師(国家資格)
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トリマー
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ペットショップのスタッフ・オーナー
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ペットシッター
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猫カフェ・犬カフェのスタッフ・オーナー
などです。
ひとつひとつ詳しくご紹介していきます。
愛玩動物看護師(国家資格)
動物たちの健康を守りたい。飼い主の不安を軽減したい。苦しんでいる動物を助けたい。
そんな思いを抱き、「病気や怪我で苦しむペットとその飼い主に寄り添い、最善のサポートをしたい」と考える人が、愛玩動物看護師を目指すことが多いです。
愛玩動物看護師は、決して楽な仕事ではありません。時には、動物の死と向き合わなければならないこともあります。
それでも、動物病院で活躍する愛玩動物看護師が多いのは、「獣医師は病気を診る」「愛玩動物看護師は動物を看る」と言われるように、動物の幸せに直接貢献できる職業だからです。
愛玩動物看護師の多くは動物病院で勤務されていますが、資格を取得し訪問看護師として活躍される方もいます。
また愛玩動物看護師が国家資格になったことに伴い『診療の補助』は愛玩動物看護師の資格を有する者のみ(獣医師を除く。)が行うことができる独占業務といることが明確にされました。
『診療の補助』とは、獣医師の指示の下に行う採血、投薬(経口など)、マイクロチップ挿入、カテーテルによる採尿などです。
すでにペットホテルやペットシッターとしてお仕事されている方も『投薬』をすることを目的として、愛玩動物看護師の資格を取得されています。
トリマー
ワンコを魅力的にカットしたり、シャンプーやパックなどで皮膚トラブルの予防、毛質の改善などもおこなう仕事。
ただ華美にするだけでなく、グルーミング中にペットの身体を隅々までチェックすることによって、病気を早期発見し、健康も守ることができます。
現在、トリマーには国家資格はありませんが、JKC公認トリマー、AAV認定トリマーなどの資格があり、多くの方が技術を磨いて資格を取得しています。
専門学校やスクールでトリマーの技術を学び、まずはトリミングサロンに就職する方が多いですが、その後、経験を積んで独立し、自身のサロンを開業する方も少なくありません。
ペットショップのスタッフ
犬や猫、ウサギや鳥類、そしてエキゾチックアニマルや魚類などの多様な生き物たちの魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい。動物と共に暮らす喜びや豊かさを広く伝えたいという思いを抱かれている方は、ペットショップのスタッフを目指されます。
しかし、ペットショップのスタッフは「可愛い動物と触れ合いたい」という気持ちだけでは務まりません。
動物の健康管理はもちろんのこと、排泄物の処理をできるだけ迅速におこなうなど、細やかな作業も重要です。
また、お客様の視線や表情を観察し、適切なタイミングで話しかける接客スキルも求められます。
動物は単なる商品ではなく、大切な命です。販売することだけを目的にするのではなく、お客様がその動物を適切にお世話できるかを見極めたうえで、責任を持って接客をおこなうことが求められます。
ペットシッター
ペットシッターは、お客様のご自宅に伺い、ペットのお世話をする仕事です。
お世話の内容は、食事の提供、トイレや室内の掃除、お散歩などが含まれます。 また、老犬・老猫・闘病中のペットについては、その子の状態に応じたケアも行います。
なお、先に述べた通り、ペットへの投薬は愛玩動物看護師の資格を有する者しか行うことができません。 そのため、仕事を引き受ける際には、投薬の有無をしっかり確認しましょう。
ペットシッターの仕事は、お客様が不在の間に行うことが多いため、信頼感を与える言葉遣いや態度が非常に重要です。
ペットシッターは、会社に雇われるのではなく、最初から独立開業する方が多い職業です。
もちろん、開業には経験が求められますが、申請時に必要となる経験が他の動物関連業種での実務経験でも認められるため、比較的開業のハードルが低い点が、多くの人が挑戦しやすい理由の一つとなっています。
また、「飼養施設なし」の場合は特別な施設を用意する必要がないため、初期コストを抑えられる点も魅力の一つです。
動物取扱責任者になるために必要な資格と経験についてはこちら
猫カフェ・犬カフェのスタッフ・オーナー
猫・犬カフェのスタッフ・オーナーを目指す人々は、主に二つのモチベーションを持っています。
一つは、猫や犬の魅力を多くの人に伝えたいという思い、もう一つは、お客様にリラックスできる癒しの空間を提供したいという願いです。
特に近年では、保護猫・犬の譲渡支援や殺処分ゼロを目指す社会貢献活動に関心を持つ人々が、カフェ経営に興味を示しています。
動物福祉に寄与したいという強い意志を持つオーナーが増えているのが特徴です。
ただし、猫・犬カフェの運営には、動物への愛情だけでなく、専門的なスキルも求められます。具体的には、動物の健康管理、徹底した衛生管理、飲食業に関する知識、そして質の高い接客スキルが不可欠です。つまり、愛情と専門性、そしてビジネス的な視点のバランスが成功の鍵となるのです。
ただし、猫カフェや犬カフェを開業するには、「展示」の実務経験が必要となります。
しかし、この経験を積むことが意外と難しく、そのハードルの高さから開業を断念する方も少なくありません。
ドッグカフェについてはこちらのコラムで詳しく解説しています。ドッグカフェを経営したい
また展示での動物取扱責任者(常勤)について、
詳しく知りたい方はお問い合わせください。
第一種動物取扱業者になるには何が必要?
※ペットビジネス・第一種動物取扱業者は、事業所ごとに専属の動物取扱責任者(常勤)を配置することが義務付けられています。
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第一種動物取扱業(動物取扱責任者)の申請について、
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